年に1回会う関係は、実は結構仲が良いということ

この話が当てはまる人の前提として、「学校教育の課程を終え、社会に出て1年以上経った」という人たちを想定している。
更に、「生まれ育った土地から離れた経験がある」という条件も加えるべきかもしれない。

さて、みなさんがこの1年で会った人たちの中で、今の仕事とは無関係に、学校教育を終えた後も年に1回以上の頻度で会っている、という人は果たしてどのくらいいるだろうか?

「たくさんいるよ」

と答えられる人は少数派ではないだろうか。
少なくとも筆者にとっては、そんな人は中々いない、稀有な存在だ。

社会に出ると、生活の中心は仕事になる。
更に家庭を持つと、それだけで24時間が埋まることもある。
仲が良かった者同士でも疎遠になることは珍しくない。

それなりの密度で同じ時を過ごした者同士なら、数年越しの再会でも意外とすぐに打ち解けられるものだ。
ただし、それを繰り返していたら、人生の内でその人と会えるのはあと10回とか20回(下手したら数回)とかいう話になる。

「……あれ? それで良かったんだっけ?」

とならないだろうか(筆者はなった)。

それに、久しぶりに会ってすぐに打ち解けられる関係性だったとしても、長く離れていたら多少、不安にもなる。
通じ合っていたと思っていても、自分だけの思い込みだったのではないか、と揺らぎもする。

筆者にも子供の頃ずっと仲が良かったが、今は音信不通になっているような友人がいる。
中年ぐらいになると、「ひょっとして、もう死んでたりしないよな……?」とか、思わないでもない。

だから、「自分にとって大事な人なら、きちんと連絡を保った方が良い」という当たり前の結論が出てくる。
まめに連絡を取り合うのは、そんなに多人数でなくてもいいだろうが、たまに連絡を取るぐらいならそれほど負担でもない。

そして、会えるなら会おう。

せめて、年に1回ぐらいは。


この記事は、しずかなインターネットに書いた下書きを元に、推敲して書きました。