(メモ)著作物を翻訳し公開することは違法になり得るということ

はじめに

※まだ法令原文には当たってないので、この記事は3次情報です。もし誤りなどあればお知らせ頂けると幸いです。

私は日本で働くソフトウェアエンジニアなので、技術文書の邦訳記事を参照することはよくあります。
また、私自身もまだ翻訳されてないものについては翻訳してみたくなることがあることがときどきありますが、どこまでが法律で許可されてるんだっけ? というのがふと気になったので調べてみました。

翻訳を公開したら違法になり得る

著作権は原著者にあるので、勝手に翻訳して公開すると基本的には違法になると思って良さそうです。
特に、翻訳権というものがあるようですね。

違法になるケースは全文訳に限らず、要約であってもNGのようです。

違法にならないケース

けっこう色々あります。

  • 私的利用に留まる場合
  • 正当な引用の範囲に留まる場合
  • 著作者の許諾を得た場合
    • CCライセンスなどで改変を許可している場合
      • ※CCライセンスでも改変が許可されてないとNG
      • ※CCライセンスで非営利利用に限定している場合、営利利用はNG
    • Webサイトなどで、翻訳を許可する記述がある場合
    • 著作者に尋ねて許諾を得た場合

他に、教科書や試験の問題文といった特殊ケースもあるようです。

どうするか

翻訳して公開したいものがある場合、

  1. 翻訳が許可されているか確認する
  2. 許可されていなければ、許可を得る
  3. 許可が得られなければ諦める

とすべきのようです。

参考

『HIGH OUTPUT MANAGEMENT』を読んだ

会社の先輩に薦められたのがきっかけで、この1〜2週間ほどで読了した。

結論から言うと、とても良かった。

元々この手のビジネス書やマネジメントを題材にした本は敬遠していたのだけど(後述)、4月から会社でチームリーダーをやることになって、チームの運営をどうしようかと考えていたので、丁度よかった。

内容紹介

この本は1984年に発行された『ハイ・アウトプット・マネジメント』に加筆・修正して、1996年に発行された『インテル経営の秘密』の復刻版らしい。
その題に違わず、著者であるアンディがCEOとしてどのようにインテル社を経営してきたかの、根底にある考え方が事例とともに描かれていると言えよう。

理系出身の著者らしく論理的な文章で、抽象化が上手く、事例が的確で、陳腐な(自明な)内容は少ないと感じた。

想定読者層

この本が読者層として強く想定しているのは「ミドル・マネジャー」と呼ばれる人たちである。
日本語にすると、「中間管理職」となるだろうが、それだけでなく、組織の中で知識や技能に秀でた「ノウハウ・マネジャー」という人たちも加えたいとしている。
その人たちも組織の複数の人々に影響を与え得るからである。

本書の一部では人事考課など本当の管理職しか実施しないであろう仕事について取り扱っているが、その他の7〜8割の内容は、これらの「ノウハウ・マネジャー」の人たちにとっても参考になるだろうと思った。*1

そういう意味で、ターゲットの裾野がとても広い本である。

章立て

第1部では、単純なモデルケースとして「朝食工場」なる工業会社を考案し、生産管理に関する考え方を述べている。

第2部では、「マネジャーのアウトプット = 自分の組織のアウトプット + 自分の影響力が及ぶ隣接諸組織のアウトプット」という等式が出てくる。
マネジャーは自分の組織の中の「小CEO」として、テコ作用(=レバレッジ)を最大化するように行動すべし、と述べられている。

第3部では、組織が数十名以上の規模に肥大化した状況を考え、組織構造や人をどのように所属させるか、といった話が述べられている。

第4部では、動機付けや人事考課、採用、研修といった話題が出てくる。

1 on 1の実施方法

インテル社ではマネージャーと部下の間の1 on 1ミーティングを実施している。
これの意義や効果的な実施方法については、主に第2部 第4章「ミーティング」で述べられている。

この本を読む何ヶ月か前に下の記事を読んだことを覚えていたが、この記事の元ネタが『HIGH OUTPUT MANAGEMENT』だったことに、読み返してみて気づいた。

1 on 1ミーティングの意味は色々あると思うけど、新米のチームリーダーとしては、メンバーからチームの課題など情報収集できる貴重な機会だと思っている。

経営の問題とは関係ないけれど、本の中で「ワン・オン・ワン・ミーティングは家庭生活においても役に立つ」と述べられていたのは面白かった。

感想

チームの大小を問わない「マネジメント」に関する多くの仕事について概観した本であり、ロジカルでわかりやすく実践的なので、色んな場面で参考書的に使えるのではないかな、と思った。

また、「ノウハウ・マネジャー」的な人はたぶんどこの組織にもいるが、その価値を適切に評価することは難しそうである。
だが、その人たちが組織のアウトプットに寄与しているケースは多いだろうから、ちゃんと計測して評価に反映できると良いなぁと思った。

終わりに

自分やチームのテコ作用を最大化させられるように行動したいものである。

次に読むマネジメント関係の本の候補としては、『エンジニアリング組織論への招待』が気になっている。

余談:マネジメント系の本を敬遠していたこと

これの主な理由として、第一には、職種がソフトウェアエンジニアで、これまで管理職に就いた経験がない、というのもある。
他方、マネジメント系の本については、なんとなく、経験則に基づいた話が多かったり、考えればわかるような自明のことをわざわざ書いているような印象を持っている、というのも理由に含まれる。

でも、『HIGH OUTPUT MANAGEMENT』は良かったので、きっと良い本は良いのだろう。

先日、下のようにつぶやいたが、過去からもっと学んでベストプラクティスを実践したいものだ。


*1:日本のIT業界では「〜に詳しい男性」という意味でよく「〜おじさん」と称される。

デビットカードを導入して3ヶ月が経った

「現金、バイバイ」

…のキャッチコピーでおなじみの緑の銀行のデビットカードをご存知でしょうか。

昨年10月に思い立ってこちらを入手し、以降、日常的に使うようになりました。
本記事では、その経緯や用途、良かったことなどを記します。

結論的には、完全に現金にバイバイとは行きませんでしたが、ある程度はキャッシュレス化できて良かったです。

導入理由

  • 現金は不便だから。時代はキャッシュレス(日本ではなかなか進んでないけど)。
    • 個人的には、小銭のやりとりだったり、ATMから引出したりと些細なことだけど面倒だった。
  • 一方で、決済をクレジットカードに寄せるのは不安があった。
    • 引き落としまでタイムラグがあるので、支出のコントロールが難しくなる。
    • 当時も今も、クレジット払いによる支出については、どのカードでいくら使ったかぐらいしか管理できていない。

デビットカードそのものは昔からあるものなので、同じ理由でもっと早く導入しても良かったのですが、後述するiD対応が(現時点では)かなり便利なので、件のカードが登場したこのタイミングで良かったと言えるかもしれません。

このカードの機能・特典

機能:

  • iD対応
    • iDは、ドコモが提供する電子マネー。公式サイト: http://id-credit.com/
    • 多くのコンビニやスーパー、ドラッグストアなどで、タッチ1つで会計できる。*1
  • VISAのクレジットカードとして使える
  • Web上で明細を確認できる

特典:

  • 月の利用額の0.25%が翌月にキャッシュバックされる
    • 他のクレジットカードのポイント率よりは低いので、無いよりはマシ、というぐらい。

用途

現在、私がデビットカードをどんな用途で使っているかを記します:

  • 近所のスーパーでiDが使える。スーパーのポイントカードと併用できるので嬉しい。
  • コンビニでの買い物(iD)。こちらもローソンパスやTポイントカードと併用できる。
  • そのほか財布を出すのが面倒なとき。

現金を使わなくて済むシーンが増えたので、財布をカバンにしまったままでも、そんなに不便なく生活できるようになりました。

現在の現金利用シーン

それでも、どうしても現金を使わないといけないケースがあります。
以下のような場合です:

  • 飲食店。特に少額のランチ。
  • 私がよく利用するマッサージ店や整体院。
  • 飲み会の割り勘。KyashやPaymoのようなソリューションがもっと普及するといいのですが。
  • 保険診療。保険を使わないことはまずないので、これもほぼ全て現金。
  • 稀なことだが、プリペイドカードで残額が足りないとき、現金でないと駄目ということがあった。

この辺りが、今後もっと便利になっていくと良いなあと思います。

導入して良かったこと

  • 銀行から預金を下ろす回数が減った。だいたい2分の1から3分の1ぐらいになった。
  • 会計時の小銭のやりとりがなくなり、ストレスが減った。
  • 支出を管理しやすくなった。
    • 以前は、現金で使った支出については、銀行からいくら下ろしたかというざっくりとした管理しかできていなかった。
    • デビットカードでは、決済の度に口座から引かれるので、何にいくら使ったか把握しやすくなった。
  • わずかだけどキャッシュバックがあるので、現金で払うよりはメリット。
    • 上述のように、店によってはその店のポイントカードと併用できる

イマイチなこと

  • Web明細について。承認番号しかわからないので、突き合わせがしづらい。。せめて加盟店名ぐらい出してほしい。。

まとめ

iD付きのデビットカードを導入して、現金払いの頻度が減り、生活がやや便利になりました。

もっとキャッシュレス化が進んで、世の中が便利になると良いなと思います。

2017年を振り返って

2017年がどうだったか、仕事の点で個人的に振り返ります。

Capistrano Pluginを作った

capistrano-net_storageなどのgemを作りました。

これらについては、前職の技術ブログで紹介記事を書きました。

検索すると、前職以外でも使ってくれた方もいるようです。
OSSにして良かったな、と思います。

初めての転職と新しい職場で

8年半ほど勤めた会社を離れ、11月から新しい職場で働いています。
転職の経緯などについては、簡単に↓のエントリに記しました。

まだ勤めて2ヶ月なのですが、色々「興味あります」と手を挙げていたら、なんだか色々なプロジェクトに関わるようになりました。
メインの業務としては、サーバインフラに近いレイヤのソフトウェア・エンジニア業をやっていますが、他に3〜4つぐらい、全く関係ない案件に巻き込まれました。

詳しくは本記事では割愛しますが、純粋なソフトウェア・エンジニアリングに留まらないものもあります。

※ぶっちゃけ手が2本では足りなくなってきたので、手伝ってくれる人を大募集しています。

ソフトウェアエンジニアとして

昨年*1に比べるとアウトプットは少なかったなと思います。

ただ、上に書いたように色々な案件に巻き込まれていることもあり、技術のみに集中する方向でキャリアを伸ばす感じではなくなってきているように感じます。
それは、決して唯々諾々と受け身で巻き込まれているわけではなく、敢えて流れに乗って自分からそういう向きに動いているところもあります。

といっても、まだ仕掛かり中の案件が多いので、キャリアについては来年以降も悩んで模索していくことになるだろうと思います。

まとめ

転職したばかりですし、まだまだこれからというところですね。

今年もお疲れ様でした。

良い新年をお迎え下さい。

DeNAを退職しました

こんにちは。@progrhymeです。
今年の3月までは@key_ambというハンドルで活動していました。

さて、掲題の通り2017/10/31付でDeNAを退職しました。
11/1から新しい職場で働いています。

DeNAでやってきたこと

DeNAには2009年4月に新卒で入社したので、約8年半ほど勤めたことになります。
その間ずっとサーバサイドのエンジニアとして働いていましたが、担当サービスや役割は何度か変わる機会がありました。
ECやソーシャルゲームのアプリケーション開発をしていた頃もあれば、Mobageハッカドールなど様々なサービスのインフラ運用を担当していた時期もあります。

転職の理由について

今回、転職というアクションを起こす決定的な動機はありませんでしたが、強いて云えば長く過ごしたことそれ自体が大きな理由でした。
初めて社会人になって以来、ずっとDeNAに勤めてきた自分は、他の職場環境を知りません。

8年半の年月が経つ内に、新しい環境に身を置いてみたいという気持ちが段々と高まって、転職をするに至りました。

転職活動と転職先について

転職活動としては、知り合い経由でアポを取って会社を訪問したり、企業HPの求人フォームから直に応募しました。
エージェントや転職サイトは利用しませんでしたが、私のように直接応募する人は珍しいそうです。

訪問・面接を行った会社はそれほど数多くはないですが、規模や業種、創業年度はそれぞれバラバラです。

最終的な転職先がどこかについて、個人的には隠す気はありませんが、一応ブログに書いたりするのには許可が必要なようなので、今回は割愛します。
その内どこかで中の人として発信する機会も有るかもしれません。

ITを活用したビジネスを展開していることと、自分がそこでサーバサイドエンジニアとして働くことだけ述べておきます。

今後について

上述のように、新しい職場でも当面はサーバサイドのエンジニアとして、前職に近いような業務を行うでしょう。

より長い将来において、自分が何を成し遂げるかや、どのようにキャリアを伸ばしていくかについては、まだ上手く思い描けていないところがあります。
それらについては、メインの業務に取り組みながら、色んな人に話を聞くなどして考えていくつもりです。

むすびに

DeNAでは様々なキャリアを積む経験に恵まれ、非常に多くの人にお世話になりました。
本当にありがとうございました。

職場は変わりましたが、何かありましたら気軽にお声がけください。

これからもよろしくお願いします。

『BEATLESS』というSF小説を読んだ

BEATLESS』とは

長谷敏司氏が著したSF小説である。月刊ニュータイプで2011〜2012年に連載されていた。
2018年1月にアニメ化されるそうだ。私が本作を知ったのは、アニメ化の情報がTwitterに流れて来たことがきっかけだった。

直後にAmazonKindle版をポチって、その後1~2週間ぐらい掛けてゆっくり読んだ。

私見により内容をざっくり紹介

舞台は西暦2105年の日本・東京。

本作は、SF2大テーマと云ってもいいであろう以下の2つの題材を扱っている:

  • 人間と「知性」を持った機械の間の恋愛
  • 人間を越える人工知能(あるいは、ポスト・シンギュラリティ)

そういう意味では古典的とも云えるかもしれないが、2010年代(=現在)から想像するポスト・シンギュラリティ世界の作り込みは真に迫るものがあると感じた。
特に、「シンギュラリティ以降、人類は人間を越える能力のAI(作中では《超高度AI》と称される)を無闇に増やさず、ネットワークから切り離して運用している」というのは、「スカイネットターミネーターのアレ)」を恐れる現世代の私たち人類からすると妥当な設定だ。

もう一つ特徴を挙げると、ヒロインである人型ロボットの「レイシア」が、服飾文化であるところのファッションを通して人々に影響を与えていくという場面がある。
全体的に見るとバトルシーンの方がかなり多いのだけど、ファッションというのが本作が発信しているメッセージの重要な比喩になっている。

キャラクターは少年少女が中心で、物語の鍵を握る5体の「hIE」(人型ロボット)は全て少女型。
…と来れば、雰囲気がラノベっぽいというのは想像に難くないのではないか。
たぶん、「SFラノベ」と位置づけても間違いでないと思う。

10/31追記

後半でところどころ出てくる、人間や経済というシステムに関する考え方も面白いなと思った。

  • 「人間というオープンシステム」……コンピュータ用語から来た語だろう。「オープンシステム」は厳密には言葉の誤用だと思うけど、「巷に流通する色んなインタフェースを使いこなす汎用の生体システム」ぐらいの意味か。文脈からすると、「それゆえにハックしやすい」というニュアンスも込めているのかもしれない。
  • 「経済活動というものは、暗号化していない無防備な情報を、ウイルス対策もせずにネットワークに流し続けるもの」……この言葉の妥当性については経済学者の評価を聞いてみたいところ。

感想

ストーリーはちょっと物足りない感じもあったけど、上述のように世界観や特徴あるシーンが有って面白かったので、読んで良かったかなーと思っている。

もう一つ、「なるほど」と思ったエピソードがあって、中盤の環境実験都市の回ではロボットをあんな風に使うのか、というのは面白かった。(※ネタバレに配慮して、ボカして書いています。)

冒頭に書いたようにアニメ化が決まっているけど、文章ではイマイチ絵が脳内に描けないところもあったので、どう映像化されるかも気になるところ。

余談

BEATLESS』の世界観や諸設定は、作者の長谷敏司氏が下のサイトで誰でも使えるオープンリソースとして公開している。

このリソースは長谷氏自身の他の著作でも使われているようだ。

SF作品の設定を科学的に考証しつつ精緻に作り込むのはたぶんとても大変なので、こういったリソースはきっと他の創作者の役に立つだろう。

ジョージ・オーウェルの小説『1984年』を読んだ

1984年は、私の生年でもある。
この題名を冠した小説が今年、話題となったのは米トランプ政権発足当初、あの「オルタナティブ・ファクト」というパワーワードが出現したことが契機だったようだ。

私が本作の存在を知ったのはこの時だ。
ディストピアを描いた有名な古典SF」として興味を引かれたが、書店で本を購入したのは3ヶ月ほど前だったか。
ちまちまと読み続けて、つい先日やっと読み終えた。

以下、その感想や付随してぼんやり考えたことをつらつらと記す。

読書体験の感想

はっきり言ってつまらなかった。
全体的に陰鬱な雰囲気であり、前半は殊にテンポが悪く、魅力的な人物も出て来ないし、興味を引かれる出来事も起こらないし、退屈だった。
中盤でヒロインがヒロインとして登場すると、やっとちょっと面白くなって来る。
が、後半でまた大きな試練がある。長い長い本の引用パートだ。読み飛ばしたくなったが、一応、ストーリーの核心部分である。読みながら2回ほど眠りに落ちたが、なんとか頑張って読んだ。

読後感についても、これを読み終えて「すっきりした」という人はほぼいないのではなかろうか。
この作者は読者を楽しませようという気はきっとない、と私は思った。

まあ、私がふだん読むものは通俗なミステリーとかラノベとか漫画とか、お約束的な展開が盛り込まれているものが多かったりするので、文化が違いすぎたというのも有るかもしれない。

とはいえ、下の記事によればこの作品は「読み切れない作品としても有名」なのだそうだ。

たぶんそれは、私が上に書いたような理由で、途中で挫折する人が多いからなのだろうと思う。

内容についての所感

私の所感は、上の考察記事の筆者と近いものがあって、トランプ政権と本作の「ビッグ・ブラザー」を頂点とする専制政治とを比べるのはナンセンスだと思う。
彼は「ビッグ・ブラザー」ではない。そんな絶対君主だったら、叩かれてないはずである。

例えば下の解説記事は、「今日の社会では権力は分散している」と述べている。

このように、『1984年』で描かれている世界観は、2017年の実情にそぐわないところが有る。

私が読んだ新訳版にはトマス・ピンチョン氏の解説がついていた。
その解説の内容に影響を受けた発想となるが、本作が描いたディストピア社会は、本作が発表された1949年ごろの、特に共産圏の政治体制に大きな影響を受けている気がする。

今日のディストピア社会の実現可能性について

トランプ政権はさておき、ディストピアを実現するための技術的な土壌はもう整っていると思う。
エドワード・スノーデン氏によるNSAの告発が世を騒がせたことは、みなさんの記憶に新しい出来事だろう。*1
情報技術によってプライバシーを含むデータを収集することは可能だ。
サービスの利用規約や法律やリテラシーが私たちを守ってくれているけど、政府が意思を持って「それ」をやりだしたら、人民には分の悪いことになるかもしれない。

上に書いたように「権力が分散」し、互いに牽制し合っているから、「それ」が進んでいないだけなのかもしれない。
例えば、「平和の維持や差別の根絶のためには、公の機関があらゆる通信を監視するのも仕方がない」のような世論が強まるとか、それに類いするような何かしらのきっかけによってレバーが大きく傾いてしまえば、今の感覚からは容認しがたいような監視社会がかんたんに出来上がってしまってもおかしくないと想像する。

最後に

1984年』を読んで、その内容を知ることができたのは良かった。
だが、小説をまるっと読まなくても、例えば映画版を観るとかでも良かったかもな、と思わなくもない。

すごく支配欲がある人とか、「人類全体のために大衆は管理されるべき」のような思想の人以外では、誰もこんなディストピア社会を望まないと思うけど、敢えて今日の社会からそこに至る最短ルートを描いて、社会シミュレーション的な小説を書くのもアリかも。
タイトルは『2034年』とかかな。

参考

脚注

*1:ちなみに、この告発事件のときも『1984年』は売れたらしい。何かのきっかけで売れる本のようだ。