デビットカードを導入して3ヶ月が経った
「現金、バイバイ」
…のキャッチコピーでおなじみの緑の銀行のデビットカードをご存知でしょうか。
昨年10月に思い立ってこちらを入手し、以降、日常的に使うようになりました。
本記事では、その経緯や用途、良かったことなどを記します。
結論的には、完全に現金にバイバイとは行きませんでしたが、ある程度はキャッシュレス化できて良かったです。
導入理由
- 現金は不便だから。時代はキャッシュレス(日本ではなかなか進んでないけど)。
- 個人的には、小銭のやりとりだったり、ATMから引出したりと些細なことだけど面倒だった。
- 一方で、決済をクレジットカードに寄せるのは不安があった。
- 引き落としまでタイムラグがあるので、支出のコントロールが難しくなる。
- 当時も今も、クレジット払いによる支出については、どのカードでいくら使ったかぐらいしか管理できていない。
デビットカードそのものは昔からあるものなので、同じ理由でもっと早く導入しても良かったのですが、後述するiD対応が(現時点では)かなり便利なので、件のカードが登場したこのタイミングで良かったと言えるかもしれません。
このカードの機能・特典
機能:
- iD対応
- iDは、ドコモが提供する電子マネー。公式サイト: http://id-credit.com/
- 多くのコンビニやスーパー、ドラッグストアなどで、タッチ1つで会計できる。*1
- VISAのクレジットカードとして使える
- Web上で明細を確認できる
特典:
- 月の利用額の0.25%が翌月にキャッシュバックされる
- 他のクレジットカードのポイント率よりは低いので、無いよりはマシ、というぐらい。
用途
現在、私がデビットカードをどんな用途で使っているかを記します:
- 近所のスーパーでiDが使える。スーパーのポイントカードと併用できるので嬉しい。
- コンビニでの買い物(iD)。こちらもローソンパスやTポイントカードと併用できる。
- そのほか財布を出すのが面倒なとき。
現金を使わなくて済むシーンが増えたので、財布をカバンにしまったままでも、そんなに不便なく生活できるようになりました。
現在の現金利用シーン
それでも、どうしても現金を使わないといけないケースがあります。
以下のような場合です:
- 飲食店。特に少額のランチ。
- 私がよく利用するマッサージ店や整体院。
- 飲み会の割り勘。KyashやPaymoのようなソリューションがもっと普及するといいのですが。
- 保険診療。保険を使わないことはまずないので、これもほぼ全て現金。
- 稀なことだが、プリペイドカードで残額が足りないとき、現金でないと駄目ということがあった。
この辺りが、今後もっと便利になっていくと良いなあと思います。
導入して良かったこと
- 銀行から預金を下ろす回数が減った。だいたい2分の1から3分の1ぐらいになった。
- 会計時の小銭のやりとりがなくなり、ストレスが減った。
- 支出を管理しやすくなった。
- 以前は、現金で使った支出については、銀行からいくら下ろしたかというざっくりとした管理しかできていなかった。
- デビットカードでは、決済の度に口座から引かれるので、何にいくら使ったか把握しやすくなった。
- わずかだけどキャッシュバックがあるので、現金で払うよりはメリット。
- 上述のように、店によってはその店のポイントカードと併用できる
イマイチなこと
- Web明細について。承認番号しかわからないので、突き合わせがしづらい。。せめて加盟店名ぐらい出してほしい。。
まとめ
iD付きのデビットカードを導入して、現金払いの頻度が減り、生活がやや便利になりました。
もっとキャッシュレス化が進んで、世の中が便利になると良いなと思います。
2017年を振り返って
2017年がどうだったか、仕事の点で個人的に振り返ります。
Capistrano Pluginを作った
capistrano-net_storageなどのgemを作りました。
これらについては、前職の技術ブログで紹介記事を書きました。
検索すると、前職以外でも使ってくれた方もいるようです。
OSSにして良かったな、と思います。
初めての転職と新しい職場で
8年半ほど勤めた会社を離れ、11月から新しい職場で働いています。
転職の経緯などについては、簡単に↓のエントリに記しました。
まだ勤めて2ヶ月なのですが、色々「興味あります」と手を挙げていたら、なんだか色々なプロジェクトに関わるようになりました。
メインの業務としては、サーバインフラに近いレイヤのソフトウェア・エンジニア業をやっていますが、他に3〜4つぐらい、全く関係ない案件に巻き込まれました。
詳しくは本記事では割愛しますが、純粋なソフトウェア・エンジニアリングに留まらないものもあります。
※ぶっちゃけ手が2本では足りなくなってきたので、手伝ってくれる人を大募集しています。
ソフトウェアエンジニアとして
昨年*1に比べるとアウトプットは少なかったなと思います。
ただ、上に書いたように色々な案件に巻き込まれていることもあり、技術のみに集中する方向でキャリアを伸ばす感じではなくなってきているように感じます。
それは、決して唯々諾々と受け身で巻き込まれているわけではなく、敢えて流れに乗って自分からそういう向きに動いているところもあります。
といっても、まだ仕掛かり中の案件が多いので、キャリアについては来年以降も悩んで模索していくことになるだろうと思います。
まとめ
転職したばかりですし、まだまだこれからというところですね。
今年もお疲れ様でした。
良い新年をお迎え下さい。
DeNAを退職しました
こんにちは。@progrhymeです。
今年の3月までは@key_ambというハンドルで活動していました。
さて、掲題の通り2017/10/31付でDeNAを退職しました。
11/1から新しい職場で働いています。
DeNAでやってきたこと
DeNAには2009年4月に新卒で入社したので、約8年半ほど勤めたことになります。
その間ずっとサーバサイドのエンジニアとして働いていましたが、担当サービスや役割は何度か変わる機会がありました。
ECやソーシャルゲームのアプリケーション開発をしていた頃もあれば、Mobageやハッカドールなど様々なサービスのインフラ運用を担当していた時期もあります。
転職の理由について
今回、転職というアクションを起こす決定的な動機はありませんでしたが、強いて云えば長く過ごしたことそれ自体が大きな理由でした。
初めて社会人になって以来、ずっとDeNAに勤めてきた自分は、他の職場環境を知りません。
8年半の年月が経つ内に、新しい環境に身を置いてみたいという気持ちが段々と高まって、転職をするに至りました。
転職活動と転職先について
転職活動としては、知り合い経由でアポを取って会社を訪問したり、企業HPの求人フォームから直に応募しました。
エージェントや転職サイトは利用しませんでしたが、私のように直接応募する人は珍しいそうです。
訪問・面接を行った会社はそれほど数多くはないですが、規模や業種、創業年度はそれぞれバラバラです。
最終的な転職先がどこかについて、個人的には隠す気はありませんが、一応ブログに書いたりするのには許可が必要なようなので、今回は割愛します。
その内どこかで中の人として発信する機会も有るかもしれません。
ITを活用したビジネスを展開していることと、自分がそこでサーバサイドエンジニアとして働くことだけ述べておきます。
今後について
上述のように、新しい職場でも当面はサーバサイドのエンジニアとして、前職に近いような業務を行うでしょう。
より長い将来において、自分が何を成し遂げるかや、どのようにキャリアを伸ばしていくかについては、まだ上手く思い描けていないところがあります。
それらについては、メインの業務に取り組みながら、色んな人に話を聞くなどして考えていくつもりです。
むすびに
DeNAでは様々なキャリアを積む経験に恵まれ、非常に多くの人にお世話になりました。
本当にありがとうございました。
職場は変わりましたが、何かありましたら気軽にお声がけください。
これからもよろしくお願いします。
『BEATLESS』というSF小説を読んだ
『BEATLESS』とは
長谷敏司氏が著したSF小説である。月刊ニュータイプで2011〜2012年に連載されていた。
2018年1月にアニメ化されるそうだ。私が本作を知ったのは、アニメ化の情報がTwitterに流れて来たことがきっかけだった。
直後にAmazonでKindle版をポチって、その後1~2週間ぐらい掛けてゆっくり読んだ。
私見により内容をざっくり紹介
舞台は西暦2105年の日本・東京。
本作は、SF2大テーマと云ってもいいであろう以下の2つの題材を扱っている:
- 人間と「知性」を持った機械の間の恋愛
- 人間を越える人工知能(あるいは、ポスト・シンギュラリティ)
そういう意味では古典的とも云えるかもしれないが、2010年代(=現在)から想像するポスト・シンギュラリティ世界の作り込みは真に迫るものがあると感じた。
特に、「シンギュラリティ以降、人類は人間を越える能力のAI(作中では《超高度AI》と称される)を無闇に増やさず、ネットワークから切り離して運用している」というのは、「スカイネット(ターミネーターのアレ)」を恐れる現世代の私たち人類からすると妥当な設定だ。
もう一つ特徴を挙げると、ヒロインである人型ロボットの「レイシア」が、服飾文化であるところのファッションを通して人々に影響を与えていくという場面がある。
全体的に見るとバトルシーンの方がかなり多いのだけど、ファッションというのが本作が発信しているメッセージの重要な比喩になっている。
キャラクターは少年少女が中心で、物語の鍵を握る5体の「hIE」(人型ロボット)は全て少女型。
…と来れば、雰囲気がラノベっぽいというのは想像に難くないのではないか。
たぶん、「SFラノベ」と位置づけても間違いでないと思う。
10/31追記
後半でところどころ出てくる、人間や経済というシステムに関する考え方も面白いなと思った。
- 「人間というオープンシステム」……コンピュータ用語から来た語だろう。「オープンシステム」は厳密には言葉の誤用だと思うけど、「巷に流通する色んなインタフェースを使いこなす汎用の生体システム」ぐらいの意味か。文脈からすると、「それゆえにハックしやすい」というニュアンスも込めているのかもしれない。
- 「経済活動というものは、暗号化していない無防備な情報を、ウイルス対策もせずにネットワークに流し続けるもの」……この言葉の妥当性については経済学者の評価を聞いてみたいところ。
感想
ストーリーはちょっと物足りない感じもあったけど、上述のように世界観や特徴あるシーンが有って面白かったので、読んで良かったかなーと思っている。
もう一つ、「なるほど」と思ったエピソードがあって、中盤の環境実験都市の回ではロボットをあんな風に使うのか、というのは面白かった。(※ネタバレに配慮して、ボカして書いています。)
冒頭に書いたようにアニメ化が決まっているけど、文章ではイマイチ絵が脳内に描けないところもあったので、どう映像化されるかも気になるところ。
余談
『BEATLESS』の世界観や諸設定は、作者の長谷敏司氏が下のサイトで誰でも使えるオープンリソースとして公開している。
このリソースは長谷氏自身の他の著作でも使われているようだ。
SF作品の設定を科学的に考証しつつ精緻に作り込むのはたぶんとても大変なので、こういったリソースはきっと他の創作者の役に立つだろう。
ジョージ・オーウェルの小説『1984年』を読んだ
1984年は、私の生年でもある。
この題名を冠した小説が今年、話題となったのは米トランプ政権発足当初、あの「オルタナティブ・ファクト」というパワーワードが出現したことが契機だったようだ。
私が本作の存在を知ったのはこの時だ。
「ディストピアを描いた有名な古典SF」として興味を引かれたが、書店で本を購入したのは3ヶ月ほど前だったか。
ちまちまと読み続けて、つい先日やっと読み終えた。
以下、その感想や付随してぼんやり考えたことをつらつらと記す。
読書体験の感想
はっきり言ってつまらなかった。
全体的に陰鬱な雰囲気であり、前半は殊にテンポが悪く、魅力的な人物も出て来ないし、興味を引かれる出来事も起こらないし、退屈だった。
中盤でヒロインがヒロインとして登場すると、やっとちょっと面白くなって来る。
が、後半でまた大きな試練がある。長い長い本の引用パートだ。読み飛ばしたくなったが、一応、ストーリーの核心部分である。読みながら2回ほど眠りに落ちたが、なんとか頑張って読んだ。
読後感についても、これを読み終えて「すっきりした」という人はほぼいないのではなかろうか。
この作者は読者を楽しませようという気はきっとない、と私は思った。
まあ、私がふだん読むものは通俗なミステリーとかラノベとか漫画とか、お約束的な展開が盛り込まれているものが多かったりするので、文化が違いすぎたというのも有るかもしれない。
とはいえ、下の記事によればこの作品は「読み切れない作品としても有名」なのだそうだ。
たぶんそれは、私が上に書いたような理由で、途中で挫折する人が多いからなのだろうと思う。
内容についての所感
私の所感は、上の考察記事の筆者と近いものがあって、トランプ政権と本作の「ビッグ・ブラザー」を頂点とする専制政治とを比べるのはナンセンスだと思う。
彼は「ビッグ・ブラザー」ではない。そんな絶対君主だったら、叩かれてないはずである。
例えば下の解説記事は、「今日の社会では権力は分散している」と述べている。
このように、『1984年』で描かれている世界観は、2017年の実情にそぐわないところが有る。
私が読んだ新訳版にはトマス・ピンチョン氏の解説がついていた。
その解説の内容に影響を受けた発想となるが、本作が描いたディストピア社会は、本作が発表された1949年ごろの、特に共産圏の政治体制に大きな影響を受けている気がする。
今日のディストピア社会の実現可能性について
トランプ政権はさておき、ディストピアを実現するための技術的な土壌はもう整っていると思う。
エドワード・スノーデン氏によるNSAの告発が世を騒がせたことは、みなさんの記憶に新しい出来事だろう。*1
情報技術によってプライバシーを含むデータを収集することは可能だ。
サービスの利用規約や法律やリテラシーが私たちを守ってくれているけど、政府が意思を持って「それ」をやりだしたら、人民には分の悪いことになるかもしれない。
上に書いたように「権力が分散」し、互いに牽制し合っているから、「それ」が進んでいないだけなのかもしれない。
例えば、「平和の維持や差別の根絶のためには、公の機関があらゆる通信を監視するのも仕方がない」のような世論が強まるとか、それに類いするような何かしらのきっかけによってレバーが大きく傾いてしまえば、今の感覚からは容認しがたいような監視社会がかんたんに出来上がってしまってもおかしくないと想像する。
最後に
『1984年』を読んで、その内容を知ることができたのは良かった。
だが、小説をまるっと読まなくても、例えば映画版を観るとかでも良かったかもな、と思わなくもない。
すごく支配欲がある人とか、「人類全体のために大衆は管理されるべき」のような思想の人以外では、誰もこんなディストピア社会を望まないと思うけど、敢えて今日の社会からそこに至る最短ルートを描いて、社会シミュレーション的な小説を書くのもアリかも。
タイトルは『2034年』とかかな。
参考
- 全文表示 | 小説『1984年』米国で売り上げ1位 トランプに「反ユートピア」見る米国民 : J-CASTニュース ... オーウェルの他の著書や『1984年』以外のディストピア小説も紹介されている。
脚注
『デュエル・エクス・マキナ』というカードゲームに最近ハマってる話
『デュエル・エクス・マキナ』は、3月末にリリースされた、スマートフォンでプレイできるカードゲームです。
開発会社の回し者ではありませんが、GW前ごろからプレイを始め、ここ3週間ほどは家族が引くレベルでハマってます。
トレーディングカードゲーム(TCG)について
この手のカードゲームは「トレーディングカードゲーム(TCG)」と呼ばれるそうです。
『遊戯王』(*1)や『ヴァンガード』(*2)をご存知の方にはイメージが付くでしょうか。
ざっくり言うと、カードがいっぱいあって、自分で「デッキ」を作って、相手と対戦するゲームです。
世界的には、1993年に発売された『マジック:ザ・ギャザリング』が「トレーディングカードゲームの発祥」と云われているそうです。
私は、遊戯王の漫画は読んでいましたが、TCGそのものをプレイしたことは、『デュエル・エクス・マキナ』以前では、片手で数えるほどしかなかったと思います。
『デュエル・エクス・マキナ』のプレイ感
『デュエル・エクス・マキナ』を初めてインストールしたばかりの頃は、「なんて面倒くさいゲームなんだ」と思いました。
正直に書くと今でも、合間合間にライトに楽しむソーシャルゲームとしては、要求されるプレイ時間や集中力が厳しすぎるゲームだと思います。
1プレイは、速いときは5分程度で終わりますが、長期戦になると30分ぐらい掛かってしまうこともあります。
また、30枚のカードから成るデッキの構築作業も、初心者には面倒すぎる作業でしょう。
最初から使えるデッキのレシピがいくつかあるので、最初はそれを使えば良いのですが、バトルや「召喚」で手に入れたカードを使いたいと思うと、自分でデッキを作りたくなるものです。
あと、ルールがそこそこ複雑で、カードの効果も多彩なので、学習コストも高いです。
(他のカードゲームはプレイしたことがないのですが、どれもこんなものでしょうか)
どんな人に向いてそうか
裏を返せば、時間を掛けようと思えばいくらでも掛けられる類いのゲームだと思います。
ソシャゲによくある「行動力」のような概念も無いですし。
カードの効果や5つある各勢力同士の相性など、戦略的要素に富んでいるので、凝り性な人に向いてそうです。
やや詰将棋的な要素もあるので、将棋や囲碁、麻雀などのボードゲームが好きな人にも好まれそうです(*3)。
今後どのようにプレイしていくか
『デュエル・エクス・マキナ』では、コロシアムでまだ最高ランクに達していないので、それを当面のゴールとしています。
色々デッキを組み替えて挑戦してみましたが、どうにも勝ち進められず、一旦、諦めました。
イベントやデイリー・ミッションなどをこなしながら、コツコツとデッキを強化して、いつか再挑戦しようと思っています。
終わりに
最近けっこう時間をかけてしまっているのと、「やり過ぎないように気をつけよう」という自戒の意味も込めて、紹介風の記事を書いてみました。
お暇な方はプレイしてみて下さいませ。
Enjoy!
脚注
「小説家になろう」で『本好きの下克上』を読んだ
『本好きの下克上』は、「小説家になろう」という有名な小説投稿サイトで2013年9月から今月12日まで、およそ3年半に渡って連載(?)されていた大長編ファンタジー小説です。
TOブックスにて、現時点で第3部の途中まで書籍化されており、コミックス、ドラマCDと他メディアへの展開も進んでいるようです。
今も「小説家になろう」で全編を楽しむことができるのですが、なんと570万字も有り、読了まで軽く一人月はかかりました。*1
それを最近1ヶ月ほどの期間で、休日を中心に多大な余暇時間を注ぎ込んで読破したので、大変疲れましたが、満足度は高かったです。
というわけで、ネタバレにならない程度に感想などを書いておこうと思います。
読み始めたきっかけ
「小説家になろう」というWebサービスについては、ここ2年ぐらいでちょくちょくチラ見するようになった程度の利用具合でした。
100万字を越える長編の存在も知ってはいましたが、"沼"だなと思ったのと、他に読みたい本などがあったので、あまり本腰を入れて読んではなかったです。
そんな自分が読むきっかけになったのは、最近、自分の周りに「なろう愛読者」の方々がちらほら増えて、オススメされたことです。
つまらなかったら途中で止めていたでしょうが、無理して夜な夜な読むほどには面白かったです。
ちょっとだけ内容紹介
昨今流行りの「異世界転生」モノです。
私たちが住んでいる世界で死んでしまった人が、ファンタジーな世界に転生して、転生前の知識・記憶を活かして他の人にはできないようなことをする…というようなジャンルの小説です。
主人公の「本好き」という性格が、他のファンタジー小説と一線を画するポイントです。
転生前から周りが引くレベルの本好きだった主人公は、中世ヨーロッパぐらいの文明レベルの、識字率が低い世界に転生して、本が読めないどころか、文字を目にする機会も少ないという事実に絶望します。
そこから紙を作り、印刷技術を発明して、自分の図書館を作るために奮闘します。
「ないなら作ればいいじゃない」という主人公の言葉は、エンジニア心をくすぐられました(笑)
とっても長い作品ですが、全体で5部に分かれています。
どの辺が良かったか
箇条書きにすると下のようなところでしょうか:
1つ目については、まあ、そんなに補足すべきこともないかと思います。
ラノベに限らずキャラが立ってる作品は面白いですよね。
2つ目については、笑いはキャラの個性から来るものが多いと思います。
涙については、感動的なシーンが随所にあるので、ぜひ読んで確かめてもらえればと思います。
ストーリー展開については、割と予想だにしない流れで話が転換するので、「そんなのアリかよ」と思いつつ楽しめました。
3つ目の世界設定については、ファンタジーだとややもするとご都合主義的になっちゃうことがあるかと思うのですが(*2)、神々やら神話やら魔力の設定やら、割と首尾一貫した納得の行くものでした。
インターネットを検索してみるとWikiも有るようで、設定に関する情報もありそうです。*3
お楽しみポイント
やや分析的になるのですが、どの辺が面白要素なのかという考察めいた解釈を述べます。
主人公は転生後に幼女となっていますが、元の世界で人格が完成されていて、したたかでイイ性格しています。
そんな主人公が元の世界で得た知識を活かして大人たちを驚かせ、成り上がって行くところは、「チート要素 + 下克上感」が楽しめるポイントと言えるでしょう。
また、主人公は高熱に罹りやすいという奇病に冒されていますが、これが主人公の能力に関係しています。
物語の中盤以降では、それによる「無双感」もちょっと楽しめます。
その他思ったこと
第2部ぐらいまでは比較的地味な話だと思いましたが、第3部ぐらいからは魔法などビジュアルが活きそうな要素が増えてきました。
もし映像作品にするなら、その辺からスポットを当てると映えるかなあとかぼんやり想像しました。
結びに
だいぶお腹いっぱいな気分なので、しばらくこの規模の作品は読みたくない気持ちです。